01 唄の舟
02 恋と盲目
03 消えた日
04 夏の終わりに
05 蒼い夕暮れからの手紙
06 窓辺のコーヒー
07 想い出の翼
08 千年酒
09 愚かさ故に
10 まっすぐブルース
11 一八〇〇秒の永遠
12 足跡
13 Baby
2011年1月16日発売
「生きることは、磨耗してゆくこと。愛に、喜びに、かなしみに。」
日常の中でこぼれる「涙」のような想い、物語をテーマに、地元高知での暮らしの中で聞こえてくる音や風景を織り交ぜた十三曲。2年ぶりのフルアルバム、遂に完成!
13曲入り 税込¥3000
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日常の中でこぼれる「涙」のような想い、物語りをテーマに制作した十三曲を収録しました。地元である高知での暮らしの中で聞こえてくる音や風景を織り交ぜた、「素」が忠実に込められた作品です。約二年ぶりのフルアルバム。大事なものが詰まった一枚となりました。
初めて矢野さんのライブを見たのは10年3月。歌い始めて第一印象は、声が悪いな、でした。倍音のすくない、高音に行っても伸びのない乾いた声。すぐにかすれてしまうんじゃないかしらと、ちょっと心配したりしました。でも、その声は、一瞬も、途切れることはなかった。粘り強く、頑固に、曲数を重ねるごとにむしろ力を増し、響きを深め、気がつけばのめり込むように歌を聴いていました。不器用でぶっきらぼうで、でもまっすぐなその声が矢野絢子さんそのものなんだと、ライブが終わる頃、沁み入るように思いました。それはたぶん、私がまだ見たことのない、土佐の海や、風や、光なのだと、思いました。
「いちばん小さな海」。そこにたゆたう思いの、なんて豊かで、なんてせつないことか。唯一無二の声で語られる13編の美しい独白に、形の無いものだけを生み続ける者の端くれとして、私は激しく嫉妬します。でも、同じくらい強く、共感と賞賛の思いを抑えられない。矢野さん、素晴らしいアルバムをありがとう。漕いで、漕いで、漕いで、あたしも歌います。ありがとう。
矢野絢子は誰にもなろうとしない。自分の立つ場所から、目にした景色を、溢れ出す想いを、哀しみとか歓びとか一言では伝わらない混沌を、自分の言葉と自分の声で歌にする。
意味を越えて、素直な想いが胸を打つ、美しいアルバムです。たくさんの人に届きますように。